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限定実験

実験による実験。

調査8日目





・調査資料No.8:情報提供者"アクシュティナ"との会話記録



情報提供者はアイラ女史に伴われてやってきた。
単独行動中に知り合ったとのことだが詳しい経緯は不明。
外見は10代後半、女性、ただし外耳部に特徴あり。
性格は明るく外交的だが自信なさげな面も持つ。
必要に応じて詳細を調査の上、別項にて報告する。

情報提供者との対面の前にアイラ女史から紹介を受けた。
それによると情報提供者は私のことを知っているようで、
何か話したいことがあるらしい、とのことだった。

以下、対面後の会話の記録である。



「えっと、ネイさん………ですね?」

「ティナさんですね、よろしくお願いします。
 ところで、どこかでお会いしたことがありましたか?」

「いえっ、あの、実はある人からあなたのことを聞いて、
 それで何か伝言を頼まれたんです………多分」

「ずいぶんと曖昧ですね…何があったのですか?」

「実は、その………あんまり覚えてなくて。
 気がついたらこの島にいて、その後のことはぼんやりとしか…」


ここから要領を得ない説明が続いたため要約する。
情報提供者はこの島を訪れてからまだ日が浅く、
探索中に遺跡の閉鎖が起こり閉じ込められていたということだ。
閉鎖している間に遺跡の中にいた者とは初めて出会ったが、
残念ながらその間も含めて遺跡での記憶が欠落しているらしい。
もっとも閉鎖時には出口付近の変動が少ない場所にいたようなので、
大きな危険がなかった代わりに情報も得られなかったのだろう。


「では、伝言の内容も誰に頼まれたかも覚えていないのですね?」

「はい、でも、ネイさんのお名前は覚えていて…、
 お話ししていたらそのうち何か思い出すかなって」

「そうですか…ではゆっくり待つしかないですね」

「ごめんなさいっ、ここまで出かかってるんですけど……」


ここでしばらく沈黙が続く。
彼女が記憶を辿っている間に私も考えていた。
私に伝言を頼むような相手は一体誰なのだろうか。
もちろんまったくの第三者からである可能性もあるし、
そもそも彼女の話しが信用できるかどうかも疑問である。

だが、もし私の考えている通りなら………その相手はひとりしかいない。


「………もしかして、その人の名前も小金井ではないですか?」

「あっ、それ…なんだか聞いたことがあるような響きです。
 そう言えば前にも聞いたことがあって、あれは確か……!」

「やはりそうなのですね………大丈夫ですか?」

「はいっ、まだちょっとはっきりしなくて…。
 でも少しずつ思い出してきました、伝言のことも」

「では、お願いできますか?」

「あの人は大体こんな感じのことを言っていました。
 "遺跡に残って調査を続ける、心配するな"と」

「それで、頼まれた相手というのは…?」

「はい……………カエデさんです」


そこまで話すと情報提供者は疲労を訴え、
アイラ女史のもとへと戻っていった。
今後の情報収集は彼女の記憶の回復次第だろう。

これが、音信不通だった仲間の初めての目撃情報である。




  1. 2009/12/16(水) 20:00:00|
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