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限定実験

実験による実験。

調査3日目





遺跡の調査状況を報告する前に述べておくべきことがあった。
ともに探索に出る同行者たちについてである。

主人は元々単身でこの島を訪れており、
また他の探索者たちにも警戒の念を持っていたため、
自ら生み出した我々合成獣以外にはあまり協力を求めなかった。

それでも他人に全く干渉せずに活動することもできない。
不可思議な生物が闊歩しているこの島では尚更だ。
そのため最低限の協力者を求むるに至ったのも自然の流れである。
もっとも主人は実験体として興味を持ったのかも知れないが…。



とにかく、そのようにして協力を求めた相手が彼女だ。
名前はアイラ・グラスムーン。

彼女は子供のような外見をしているが、
そこからは想像もできない程の知識や能力を有している。
主人曰く"外見のことには触れない方がいい"らしい。
しかし私には島の外の常識はよくわからないので、
どちらにせよ特に違和感を覚えるようなことではない。

彼女とは遺跡が一度閉じた時より前から行動を共にしていた。
別の探索者から妨害を受けた際に協力したことがきっかけだったが、
それ以降も主人や私たちを気に掛けてか同じ道を進んでいる。
そして遺跡が暴走し主人が去った今でもその協力体制は続いていた。
再び遺跡が開いたことでまたともに探索を行うことになったが、
彼女の行動原理は未だに不明である。

彼女の能力は異界の獣を召喚し具現化することであったが、
現在ではその力を失ってしまっているようだ。
なぜそのような事態になったのか、
そしてそれが探索にどのような影響を与えるのか、
今後の調査ではそれらも注意して観察する必要があるだろう。


もうひとり、私たちと行動をともにする人物がいる。
エリサ・メリッサと名乗る彼女とはつい先日出会ったばかりだ。

私たち、と書いたが正確には彼女はアイラ女史についてきたらしい。
親しげに女史へ話しかける彼女を見てふたりが知己の仲だと感じたが、
よくよく話しを聞くとどうやら彼女が一方的に女史を見知っていたようだ。
さらに後になって彼女の話し方は誰に対しても同じなのだとわかった。

彼女がアイラ女史に関心を向ける理由はまだわかっていない。
しかし自身を悪魔だと称していたことから、
女史の召喚の力と何か関係があるのではないかと推察される。

とは言え、悪魔という種族は私の持つ情報にはないものである。
彼女の外見は翼や角を持つなど普通の人間とは確かに異なるが、
単純にそれだけで悪魔の存在を断定するのは危険だろう。
今後の探索でその生物的構造や有する能力を見極め、
上記の目的とともにその正体を解明しなければならない。



以上の二名が現在の同行者である。
いずれも能力面、心理面ともに不明な点が多いため、
それらの調査もなかなか興味深いものになりそうだ。

当然ながら調査の最大の目的は遺跡の謎の解明であるが、
その合間に彼女たちの研究を行うのも悪くないだろう。
まずは遺跡の動物たちの妨害にどう対処するのか、
じっくりと観察させてもらうことにしよう。

遺跡の中は以前と変わらず異様な生物が溢れている。
観察の機会に困ることはなさそうだ…。




  1. 2009/11/25(水) 20:00:00|
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